
SweclockersがHBMを搭載するグラフィックスカードの次期ハイエンドモデルの名称が”Radeon R9 380X”になるということを報道した。
Radeon R9 380Xは世界初となる”HBM”という次世代メモリを搭載したグラボとなる。HBMはGDDR5よりも広帯域かつ高効率なデータ伝送を可能にするスタックドメモリで、これによってアーキテクチャの改良という手段以外でメモリ帯域幅へ大量のアクセスが可能になるという利点を得られる。メモリクロックは1.0~1.2 GHzながら、帯域幅は640GB/sにも達する。
次期ハイエンドモデルのスペックは以前のリーク通りコア数4096基、搭載メモリ4GBになるようで、クーラーには水冷+空冷のハイブリッド冷却ソリューションを採用する。コア数はRadeon R9 290Xの2816基から1.45倍となるので理論上45%の性能が上がることになるが、HBMがパフォーマンスにどれだけ影響してくるのかは未知数である。
今まで言われ続けてきた”R9 390X”はいったいどこに行ったのだろうかというと、おそらくRadeon R9 290XのあとにR9 295Xが登場したように、後々さらに上位モデルのグラフィックスカードを投入する際のために温存しているのかもしれない。
しかし、いまのところAMDから伝えられた情報は次期ハイエンドモデルに”Fiji XT”というGPUコアを採用するということだけで、実際のグラフィックカードの名称がR9 380Xになるのか、R9 390Xになるのか、はたまたそれ以外になるのかは分かってはいない。ただし、AMD従業員のプロフィールからR9 380Xという製品が存在することだけは確であり、R9 380Xがハイエンドモデルなのであれば、プロフィールに記載されたTDP300WのHBM搭載製品がR9 380Xのことを示しているという考えも十分に納得がいく。
Radeon R9 380Xの登場は第二四半期の4月から6月の間になるとSweclockersでは予想しており、6月初頭に台湾で「Computex 2015」 が開催されるのでその際に発表されるという考えが妥当ではある。しかし、NVIDIAのMaxwellに十分に対抗できる製品がないこの現状をComputex 2015まで残り5か月近く続けるのはAMDにとっても大きなデメリットなはずなので、製品の準備ができ次第発表ということも考えられる。
※追記(2015年1月23日)
Radeon R9 380Xのダイサイズは最低でも550?になるとbitsandchipsは述べており、Hawaiiの438?からかなりの巨大化がなされる。そして同サイトはComputex 2015よりも前にRadeon R9 380Xは登場すると断定している。Computex 2015の開催時期は6月の2~6日なので、それ以前となると最低でも5月中には出るということになる。AMDはHBM搭載カードの発表を第二四半期と表明しているため、R9 380Xの登場はこれら条件に当てはまる期間の4~5月に絞られることになるついでにネームがR9 390XではなくR9 380Xであることが確定した。
電子レンジかな?